書籍紹介
- タイトル:父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
- 著者:ジェイエル・コリンズ(JL Collins)
- 訳者:小野一郎
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売日:2020年1月
- ISBN:978-4-478-10819-2
この本は、著者ジェイエル・コリンズが、大学へ進学する娘のために「お金について本当に大事なこと」を書き残した手紙をまとめたもの。投資に関する本はたくさんありますが、この本では投資に関してだけではなく、無駄な出費をしないことの大切さを分かりやすく伝えてくれています。既に投資を始めている人にもおすすめですが、娘のために書いた本とあるように、私も大学生のときにこの本を読んでおければ今の状況ももっと違っていたんだろうなと思わずにはいられません。自分の子どもが大きくなったときに是非読んでほしい本です。
本書が教えてくれること
この本のメッセージはとてもシンプルです。
「借金は避けて、収入の一部を投資にまわし、自由な人生を手に入れよう」
以下のような考え方を、人生の早い段階から身につけることが重要だと説いています。
- 借金は自由を奪う
- 収入の多くを常に貯蓄・投資へ
- 投資の基本はインデックスファンド一本でOK
- 市場の上下に一喜一憂せず、着実に続ける
- 他人の予測やメディアの声に惑わされない
特に印象的だったポイント
- 「株式市場は上がったり下がったりするもの。下がったときはむしろ“買い時”」
- 「借入金は基本的に負ってはいけない重荷である」
- 「車を一括でなくローンで買う人は、『この車にもっとお金を払いたい』と言っているようなもの」
- 「インデックスは長期的に上がる。それでも投資している間に資産が半分になる経験を何度かすることになる」
- 「市場は誰にも読めない。だからこそ、タイミングを計らずに淡々と続けることが最強の戦略」
本書が薦める投資戦略
- 投資商品は3つだけでOK
- VTSAX(米国株のインデックスファンド)
- VBTLX(米国債券インデックスファンド)
- 現金(生活防衛資金)
現金は最小限にして可能な限り株式のインデックスファンドに投資しますが、資産を増やしたい時期と維持したい時期でそれぞれのポートフォリオをどうしたらいいか、書籍の中で紹介しています。
上記のインデックスファンドを推奨する理由は手数料が格安だからです。全く同一の商品は日本では投資できませんが、似たようなインデックスファンドはいくつかあるので手数料の安いものを選べばよいと思います。
この本を読んで感じたこと
投資の話というと、専門用語が多くて難しそう……という印象がありますが、この本はまったく違います。語りかけるような口調で、「自由で幸せな人生」のためにどうお金と付き合っていけばよいかを教えてくれます。
とくに印象的だったのは、「お金の使い方は、人生そのものの使い方」という考え方。節約や投資を通じて、私たちは「会社に縛られずに生きる力」を手にすることができる。これは単なる金融テクニックではなく、生き方そのものなんだなと、深く心に残りました。
こんな人におすすめ!
- 投資をこれから始めようと思っている人
- お金についてもっと賢くなりたい人
- 早くから投資を始めて経済的自由(FIRE)を目指したい人
- 難しい本ではなく、やさしい語り口のものが読みたい人
- 子どもや若い世代に「お金の教養」を伝えたいと思っている人
まとめ
投資とは「お金儲け」ではなく、「自由を手に入れる手段」。この本は、そんな投資の本質を教えてくれる、まさに「一生モノの教科書」でした。
肩ひじ張らずに読めて、気づけば自分の中に新しいお金の価値観が芽生えている──そんな一冊です。投資の入り口としても、人生の軌道修正としても、ぜひ手に取ってほしいと思える本です。