英語を学ぶ上で、「どうやって読解力や語彙力を伸ばせばいいのだろう?」と悩んでいる方は多いと思います。そんな方におすすめしたいのが「英語多読」です。
私自身、以前は英語の本にチャレンジして、分からない言葉に直面するたびに辞書を引き、なかなか読み進められずに途中で挫折してしまうことがしばしばありました。しかし、SSS英語多読研究会のサイトに出会い、多読の考え方を知ってから、英語学習が一気に楽しく、効果的になりました。
本記事では、多読とは何か、その効果や実践方法、おすすめの始め方、本の入手方法などを紹介します。これから英語学習を始める方も、伸び悩んでいる中級〜上級者の方も、ぜひ参考にしてみてください。
多読ってなに?
多読(Extensive Reading)とは、「文章を分析しないで大意を把握する」読書法です。ポイントは、「自分にとってスラスラと読めて楽しいと思える本をたくさん読む」こと。
SSS英語多読研究会では、この学習法を3つの原則で提唱しています:
- 辞書は引かない*
- わからないところは飛ばす
- つまらなくなったらやめて、別の本へ
つまり、「無理せず楽しく続けられること」が最も大切なのです。
*辞書を引かないことで、分からない単語が出てきても文章全体や前後の流れから単語の意味を推測する能力が身に着きます。なので、分からない単語の意味を調べないと気が済まない方は、一旦辞書を引かずに(その単語は後で調べられるように控えておく)読み進めて、本を読み終えてから調べるのがお勧めです。
多読の効果とは?
1. 語彙力の自然な増加
多読を通じて、単語や表現を文脈の中で何度も目にすることで、辞書を引かずとも自然に語彙が身についていきます。特に、頻出単語やフレーズが無理なく定着します。
2. 読解スピードの向上
繰り返し英文に触れることで、英語の語順や文の構造に慣れ、速く読めるようになります。また、辞書を引かないことで、分からない単語が出てきても文章の流れから大意を把握する能力が鍛えられます。
これにより、英検やTOEICなどのReadingセクション対策にも有効です。
3. 英文に対する抵抗感の減少
難しい文法や知らない単語に出会っても、「とにかく読み進める」スタイルで続けることで、英語を読むことへの心理的なハードルが下がります。また、多読を通して、英語をまず日本語に訳して理解するのではなく、いわゆる「英語を英語のまま読む力」が養われます。
4. 英語の語感(ナチュラルな感覚)の習得
英語らしい表現、自然な語順、コロケーション(よく一緒に使われる単語の組み合わせ)などをたくさん目にすることで、正しい英語の「感覚」が身につきます。
5. モチベーションの維持
自分のレベルに合った面白い本や記事を選べば、勉強というより「楽しみ」として英語に触れ続けることができ、長期的な学習の継続に繋がります。
6. リスニングやスピーキング力にも好影響
読書を通じて得た表現や文構造は、リスニングやスピーキングの際にも活きてきます。英語の「型」がインプットされているため、アウトプットがスムーズになります。
わたくし自身、近所の図書館にIBC ラダーシリーズの多読本が用意されているのを知ってから定期的に本を借りに行っていて、20冊以上を読破しました。簡単すぎるかなと思いましたが、Level1から始めています。多読研究会のFAQでもどんな人でも基本単語200レベルの本を数冊(できれば10冊程度)読むところから始めることを推奨しています。スラスラと読めるのでストレスなく楽しいです。今はLevel2の本を読み進めていて、全て読み終わったらLevel3に進む予定です。簡単なレベルから始めたおかげで、無意識に英語を英語のまま読めるようになった気がします。また、英語を読むスピードも明らかに向上しました。
どんな本から始めればいいの?
初心者の方には、絵本や語数の少ないGraded Readers(レベル別リーダー)がおすすめです。
ポイントは、自分が ”ストレスを感じることなくスラスラ読める” と感じられるレベルから始めること。無理して難しい本にチャレンジしても、挫折のもとになってしまいます。
多読におすすめのGraded Readersをいくつか紹介します。
1. LADDER SERIES(ラダーシリーズ)|IBCパブリッシング
- 難易度:初級〜上級(Level 1〜5|語彙1,000〜5,000語)
- 特徴:日本人学習者向けに作られており、名作文学・ビジネス・自己啓発などジャンルが多彩。巻末にWord List付のものもあり、英語初心者にも親切です。
- 入手先:Amazon.co.jp, IBCパブリッシング公式サイトなど
2. Penguin Readers|Pearson
- 難易度:超初級〜中級(Level 1〜6|語彙200〜3,000語)
- 特徴:映画・小説・伝記・ノンフィクションなど、ジャンル豊富で楽しみながら学べるシリーズ。世界中の英語学習者に長年愛されています。
- 入手先:Amazon.co.jp、KidsMartなど
3. 📚 Oxford Bookworms Library|Oxford University Press
- 難易度:初級〜中上級(Stage 1〜6|語彙250〜2,500語)
- 特徴:ストーリー構成の質が非常に高く、文学・スリラー・ヒューマンドラマなど多彩なジャンルをやさしい英語で楽しめます。
- 入手先:Amazon.co.jp、Oxford公式サイトなど
多読用の本はどこで手に入れる?
多読を始めたいけれど、「本をどうやって手に入れたらいいの?」という疑問を持つ方も多いと思います。以下に、手軽に始められる方法をいくつかご紹介します。
1. 図書館を活用する
最近では多くの公共図書館に英語の多読本(Graded Readers)が揃ってきています。是非お近くの図書館で多読本が用意されていないか確認してみてください。無料で借りられるので、コストをかけずに始めたい方には特におすすめです。
2. Kindleなど電子書籍を利用する
AmazonのKindleでは、Graded Readersを含むさまざまな英語のやさしい本が比較的安い値段で販売されています。残念ながら上で挙げたGraded Readersは対象外ですが、Kindle Unlimitedで楽しめる洋書も多数あります。
電子書籍の利点は、端末1つで何冊も持ち歩くことができ、かさばらないので多読に最適です。
3. 中古書店やフリマサイトで購入
中古書店やメルカリなどのフリマサイトで安く売られている可能性もありますので、お近くの中古書店に足を運んでみたり、メルカリで定期的に調べてみるのもお勧めです。意外な掘り出し物があるかも!?
多読を継続するコツ
- 毎日少しずつ読む習慣をつける:1日5〜10分でもOK。
- 気に入ったシリーズを見つける:お気に入りのキャラクターがいれば、次の巻が楽しみになります。
- 読んだ冊数・語数を記録する:進捗が見えるとモチベーションが上がります。
まとめ:多読は「楽しく、無理なく、効果的」
多読は、英語学習における「続けられる楽しさ」を教えてくれます。 辞書を手放し、ストレスを感じずに読むことを続けているうちに、気づけば以前よりもスラスラと英文が読めるようになっているはずです。
SSS英語多読研究会のサイトには、多読についての豊富な情報や実践例、読書記録ツールなども揃っているので、ぜひ一度覗いてみてください。
英語に「苦手意識」がある方にこそ、多読をぜひおすすめします!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。